日産が2026年夏の発売を目指す新型エルグランド(E53型)のメディア向け先行試乗会が実施されました。2010年以来、実に16年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型は、内外装の大幅な質感向上に加え、第3世代「e-POWER」と4WDシステム「e-4ORCE」による走りの進化が際立ったと各メディアが報告しています。長らくアルファード/ヴェルファイアが独走してきた国産大型ミニバン市場に、いよいよ本格的な対抗馬が登場します。
デザイン:「組子」と「日本庭園」に着想した上質な外観
新型エルグランドのデザインコンセプトは「The private MAGLEV(リニアモーターカー)」。高速でありながらスムーズで静かなリニアモーターカーのイメージを、威厳とダイナミックなプレゼンスで表現しています。
- フロントグリル:日本の伝統工芸「組子」をモチーフにした繊細なデザイン
- サイドパネル:大きな面構成と緻密なディテールのコントラストで、日本庭園の美意識を表現
- ボディサイズ:アルファードと比較して全幅+45mm・全高+40mm大きく、存在感は一回り上
内装:国内モデル初の14.3インチ統合ディスプレイ
室内も大幅に刷新されています。最大の変化は国内モデル初採用となる14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイです。シートは日本の美意識に基づく「紫檀(シタン)」をモチーフとした素材を採用し、最上級ミニバンにふさわしい質感を実現しています。
走り:試乗したメディアが絶賛した「別格の静粛性」
? メディア試乗のポイント(各メディア報告より)
- 「これまで体験したことのないレベル」の静粛性
- 風切り音・ロードノイズを巧みに遮断、高速でも圧倒的に静か
- フラットライドで、意のままに操れる走りの楽しさ
- 「運転の楽しさ」と「同乗者の快適性」という相反する要素を高次元で両立
- エンジン振動は従来比40%低減
第3世代e-POWERとは
e-POWERはエンジンを発電専用に使い、タイヤはすべてモーターで駆動する日産独自のシステムです。第3世代では発電専用エンジン(ZR15DDTe)を新たに専用設計し、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品を「5-in-1ユニット」に集約することで、さらなる効率化と静粛性を実現しました。システム全体の出力は340馬力相当で、大型ミニバンを力強く、かつなめらかに走らせます。
e-4ORCEが生み出す「揺れないミニバン」
4WDシステム「e-4ORCE」は前後モーターのトルクを緻密に制御し、発進・加速・減速時の車体の揺れを抑制します。大型ミニバン特有の「ふわふわした」乗り心地ではなく、背が高い車体でも路面にしっかり張り付くような安定感を実現しています。これに「インテリジェントダイナミックサスペンション」が組み合わさることで、ドライバーズカーとして楽しみながら、後席の同乗者も快適に過ごせるという理想的なバランスを達成しています。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)も静粛性を後押し
新型エルグランドの静粛性向上には、e-POWERやボディ遮音強化に加え、アクティブノイズキャンセリング(ANC)の採用も大きく寄与しています。ANCは「音で音を消す」技術で、車内に設置したマイクが走行中のロードノイズやエンジンのこもり音をリアルタイムで検知し、それと逆位相の音波をスピーカーから発生させることでノイズを打ち消します。ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能と同じ原理を、クルマ全体の空間に応用したものです。
新型エルグランドではANCを含む複合的な静粛化対策により、従来モデルと比較して室内騒音を5.6dB低減することに成功しています。dBは対数スケールのため、5.6dBの低減は体感的に「音が約半分以下に聞こえる」レベルの変化に相当します。高速走行中でも会話が自然にできる、音楽をより鮮明に楽しめるといった恩恵が、試乗メディアの「別格の静粛性」という評価に直結しています。
価格とグレード構成
価格は2グレード構成で、全車e-POWER+e-4ORCE搭載(4WD)となります。
| グレード | 価格 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| e-POWER X | 689.7万円 | 標準グレード、e-4ORCE・第3世代e-POWER標準搭載 |
| e-POWER G | 757.9万円 | 上級グレード、装備充実 |
アルファードとの比較
| 項目 | 新型エルグランド X | アルファード Z(HV・4WD) |
|---|---|---|
| 価格 | 689.7万円 | 661.98万円 |
| パワートレイン | e-POWER(340馬力相当)+e-4ORCE | ハイブリッド+4WD |
| 燃費(WLTC) | 約17.0km/L(予想) | 約17.0km/L |
| ボディ | アルファード比:全幅+45mm・全高+40mm | 全幅1,850mm・全高1,950mm |
| 駆動方式 | 全車4WD(e-4ORCE) | 4WDあり |
| 先進運転支援 | プロパイロット搭載 | トヨタセーフティセンス搭載 |
価格ではエルグランドXがアルファードZを約28万円上回ります。装備差を含めた実質比較では60万円程度高いとする試算もありますが、e-4ORCEによる走りの質と静粛性の高さは、価格差を上回る価値があると感じるユーザーもいるでしょう。
先行受注は5月下旬スタート
先行受注は2026年5月24日〜28日ごろから開始される見込みで、発売は2026年夏(7月頃)が有力視されています。16年間の空白を経て登場する新型エルグランドの注目度は非常に高く、発表直後から各ディーラーへの問い合わせが急増しているとも報じられています。
まとめ:「アルファードとは違う選択肢」が本当に来た
? 新型エルグランドがアルファードと差別化する3点
- 走りの質:e-4ORCEの制御精度で「揺れないミニバン」を実現
- 静粛性:第3世代e-POWERで振動40%低減、試乗メディアが絶賛
- 存在感:一回り大きなボディで、並んでも見劣りしないサイズ感
長らく「大型ミニバン=アルファード一択」という状況が続いてきましたが、新型エルグランドの登場でその構図が変わる可能性があります。走りを重視したい方、少し個性的な選択をしたい方にとって、新型エルグランドは非常に魅力的な一台となりそうです。正式発表・発売後の続報にも注目です。
日産 新型エルグランド公式情報:日産ニュースルーム



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