この記事のポイント
- 2026年3月期 売上高2兆3,376億円・純利益5,544億円——いずれも過去最高を更新しました
- 2026年4〜6月期の純利益は前年同期比約48倍・8,690億円を予想——日本企業として最大級のAI恩恵です
- AIデータセンター向けSSDが売上の約6割——生成AI開発競争がNAND需要を押し上げています
- 次世代332層NANDの量産へ——読み書き速度・電力効率がさらに向上し、競合との差別化を図ります
2026年5月15日、キオクシアホールディングスが2026年3月期の通期決算を発表しました。売上高は前期比37%増の2兆3,376億円、純利益は同約2倍の5,544億円と、いずれも過去最高を更新しています。さらに2026年4〜6月期の純利益は前年同期比約48倍となる8,690億円を予想しており、世界的なAI開発競争の恩恵を最も大きく受けている日本企業のひとつといえそうです。
キオクシアHDとは
キオクシアは旧東芝メモリを源流とする半導体メーカーで、NAND型フラッシュメモリの世界シェア3位を誇る日本の代表的な半導体企業です。2024年に東京証券取引所に上場し、現在は生成AI時代の追い風を強く受けています。
過去最高益の背景——AIデータセンター需要の爆発
AIがNANDを”食いつくす”時代に
生成AIモデルの学習・推論には膨大なデータの保存と高速アクセスが不可欠です。大規模なAIデータセンターでは従来のHDDに加え、高速・低電力・高耐久なSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の採用が急速に進んでいます。
| 指標 | 2026年3月期実績 |
|---|---|
| 売上高 | 2兆3,376億円(前期比+37%) |
| 営業利益 | 7,545億円(前期比+67%) |
| 純利益 | 5,544億円(前期比約2倍) |
| データセンター向けSSD比率 | 売上全体の約6割 |
エンタープライズ向け大容量SSDの引き合いが急増しており、特にAmazon・Microsoft・Googleなどのハイパースケーラーと呼ばれる大手クラウド企業からの需要が業績を牽引しています。
デルと共同で業界最大容量のサーバーを実現
2026年5月15日にはデル・テクノロジーズとの共同開発で、2Uサイズのサーバーに最大9.8ペタバイトのストレージを搭載できる製品を発表しました。これは業界最大容量であり、AIデータセンターの設置スペースと電力消費の削減に大きく貢献するものとして注目されています。
次の一手——332層NAND量産へ
キオクシアは現行の第8世代NANDから、332層を積層した第10世代NANDの量産に向けて開発を進めています。
| 比較項目 | 第8世代 → 第10世代 |
|---|---|
| 積層数 | 増加(332層) |
| データ読み出し速度 | 約10%向上 |
| データ書き込み速度 | 約25%向上 |
| 電力効率 | 15%超の改善 |
競合他社との技術競争が激化するなか、製品の性能・効率をさらに高めることで、AI需要の取り込みを強化していく方針です。
まとめ
キオクシアHDの過去最高益は、AI半導体ブームが単にGPUだけでなく、ストレージ分野にも波及していることを示す象徴的な出来事といえそうです。2026年4〜6月期の純利益48倍という予想は驚異的な数字ですが、AIデータセンター向けSSD需要が今後も旺盛に続くとみられるなか、キオクシアの成長軌道には引き続き注目が集まりそうですね。



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