2026年6月29日週のマーケットは、米6月雇用統計、JOLTS、ISM製造業景況感、そして日本の日銀短観と、景気と金利の見方を動かしやすい材料が並ぶ週になりました。先週の米国株は、AI関連の利益確定売りが重なり、S&P500が週間で2.0%安、ナスダックが4.6%安となる一方、ダウ平均は0.6%高と相場の色が割れています。
一方で日本株は、先週前半に日経平均が連続で高値を更新し、6月25日には木曜時点で年初来43.8%高という強い伸びが示されました。週末にかけては調整も入りましたが、今週の焦点は「高値を更新できるか」だけではなく、企業業績を支える景況感と円相場がその強さを裏づけるかに移っています。
この記事では、先週の振り返り、今週の注目イベント、そして読者が押さえておきたい見方を整理します。
この記事のポイント
- 先週の米株はS&P500が-2.0%、ナスダックが-4.6%、ダウが+0.6%でした
- 今週の最大イベントは米6月雇用統計で、7月4日休場のため7月2日木曜に前倒しで公表されます
- 米国ではJOLTS、ADP、ISM製造業景況感も続き、Fedの見通しに影響しやすい週です
- 日本では日銀短観とアジアのPMIが焦点で、日経平均の高値圏維持を支える材料になるかが注目されます
- 相場全体では、AI関連の調整と景気敏感株・内需株の底堅さが同居しています
先週の主要市場を1枚で整理
| 資産・指数 | 先週の動き | 見方 |
|---|---|---|
| S&P500 | 週間で-2.0% | 大型テックの調整が重しでした |
| ナスダック | 週間で-4.6% | AI関連株の下げが指数に強く出ました |
| ダウ平均 | 週間で+0.6% | ハイテク以外の底堅さが見えています |
| 日経平均 | 週前半に連続で高値更新 | AI期待と日本株への資金流入が続いていました |
| ドル指数 | 週間で+0.56% | Fed見通しの再確認でドルがやや優勢でした |
用語ミニ解説:JOLTSは米国の求人件数統計で、雇用の強さを測る材料です。日銀短観は日本企業の景況感や設備投資の見通しを確認するうえで重要な統計です。株価そのものよりも、「景気は減速しているのか、まだ強いのか」を見るための材料として扱われます。
米国市場は「AIの調整」と「景気の底堅さ」が同時進行
AP通信の週末集計によると、6月26日までの1週間でS&P500は2.0%下落、ナスダックは4.6%下落しました。AI関連株の下落が大きく響いた一方で、ダウ平均は0.6%上昇しており、相場全体が一方向に崩れているわけではありません。ここが今週の見方でかなり大事なポイントです。
つまり、投資家は「米国株を全面的に売っている」のではなく、高くなったテーマ株をいったん調整しつつ、景気敏感やバリュー寄りの銘柄へ資金を移している可能性があります。
相場が本当に弱くなる局面では、広く一斉に売られやすいのですが、足元はその形とは少し違います。今週の雇用統計で景気の底堅さが再確認されれば、指数の見え方がまた変わる余地があります。
今週の最大イベントは6月雇用統計
今週の中心は、7月2日木曜に前倒しで公表される米6月雇用統計です。米独立記念日(7月4日)の市場休場日程の関係で通常より早い日程になっており、その前にJOLTS(火曜)、ADP雇用統計(水曜)、ISM製造業景況感(水曜)が続きます。短い週ですが、むしろ材料は濃いです。
| 日程 | イベント | 注目点 |
|---|---|---|
| 6月30日 | JOLTS、消費者信頼感、住宅価格関連 | 雇用の熱さと個人消費の地合いを確認 |
| 7月1日 | ADP、ISM製造業、ECBシントラ会合関連発言 | 景況感と中央銀行の温度感を見る日です |
| 7月2日 | 米6月雇用統計 | Fedの年内見通しに最も響きやすい本命イベントです |
雇用統計が強すぎれば「利下げ期待の後退」ではなく、今回は追加引き締めや高金利長期化の警戒が再び意識される可能性があります。逆に弱すぎる場合は景気減速懸念が出ます。つまり、今回の雇用統計は「良ければ安心」という単純な材料ではなく、強すぎても弱すぎても解釈が割れやすいイベントだと見ておくほうが自然です。
日本株はTankanと円相場が高値維持のカギ
日本株は依然として強い流れの中にあります。MarketWatchが6月25日に伝えたように、日経平均は木曜時点で年初来43.8%高まで伸び、AI需要の広がりやデフレ脱却後の価格転嫁期待が資金流入の背景として挙げられていました。週末には調整も入りましたが、今週の争点は「上昇トレンドが終わるか」ではなく、業績期待と円安・円高のバランスがどう再評価されるかです。
今週は日本の日銀短観やアジア各国のPMIが予定されています。企業景況感が強ければ、日本株の高値圏には追い風になります。一方で、円安が進みすぎれば政策当局のけん制も意識されます。ドル指数自体は先週0.56%上昇しており、為替の方向感は依然として株式市場のセンチメントに直結しやすい状況です。
今週の見方 指数より「どこに資金が移っているか」を見る週
今週の相場は、S&P500や日経平均の終値だけを追うより、どのセクターに資金が移っているかを見たほうが流れをつかみやすい週です。先週はAI関連が重かった一方、ダウが上昇しており、相場全体が崩れたというより、主役が入れ替わるような動きが見えました。
読者目線では、1つの指数の上下に反応しすぎるより、米雇用統計で金利観がどう動くか、日本の景況感が高値圏を支えるか、AI株の調整が一時的なのかの3点で見ると整理しやすくなります。今週は短い営業日の中に重要材料が詰まっているため、数字そのもの以上に、その後の市場の反応速度に注目したいところです。
まとめ
6月29日週のマーケットは、米6月雇用統計を軸に、Fed見通しと株式の物色動向を見極める週です。先週はナスダックが4.6%下落し、S&P500も2.0%下落しましたが、ダウ平均は0.6%上昇しており、資金が完全に逃げたというより、テーマ間の入れ替わりが進んだ1週間でした。
日本株は高値圏を維持しているぶん、今週のTankanやPMIの意味が大きくなります。今週は「上がるか下がるか」を当てるより、金利・景況感・為替の3点セットで市場がどう反応するかを落ち着いて追う週として捉えるのがよさそうです。



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